(1) ズガニが生きている場合、氷を蟹の上から入れて、蟹を眠らせます。その間に水を沸騰させます。そして、その沸騰している湯の中に蟹を入れます。
(2) 5分間茹でた蟹をザルに取り出して、毛が生えている足を全て取り除きます。腹側に包丁で切れ込みを2~3カ所いれます。美味しいダシが出やすくするため。
(3) その後、一つまみ塩の入った湯に蟹を入れて、中火でじっくりと1時間煮ます。煮た後、蟹を取り出します。
(4) ザルにキッチン・ペーパーを敷いて、その上から蟹の煮汁をゆっくりと注ぎ、別の鍋にとります。そうすることによって、ほぼ透明な黄色の蟹煮汁を得ることができます。この煮汁がとても美味しいソースになります。
(5) 蟹を煮ている間に、ニンニク5カケラ、玉ネギ1個、ニンジン2本を適当な大きさに切ります。
(6) 透明な黄色の蟹煮汁に、スライスした野菜を入れて、中火で30分間煮て、その後弱火にして30分間煮ます。その後、一晩室温で放置します。
(7) 皮を剥いた里芋を適当な大きさに切って、水に入れて加熱します。
(8) その中に、野菜と共に煮た蟹煮汁を加えて、コンソメを加えます。コンソメの量は、お好みに合わせてください。時々掻き混ぜながら、1時間弱火で加熱します。
(9) 里芋と野菜および蟹煮汁を一緒に煮ている間に、バターをフライパンの中で加熱して溶かして、そこへ小麦粉を入れて良く掻き混ぜます。しばらく掻き混ぜていると、ペースト状になります。
(10) できたペースト状のバター・小麦粉を蟹・野菜煮汁と混ぜます。最終的な塩加減をここで行います。好みに応じて、少し牛乳(約50 mL)をくわえると、色合いが良くなり、味がマイルドになります。
(11) 牛乳を加えた後、5分間くらい加熱したら、出来上がりです。
<考察>
「ズガニ」とは主に関西地方での呼び名で、関東地方では「モクズガニ」と呼ばれる。淡水に生息するカニでは大型で、甲羅が8センチほどにもなる。上海蟹と似ているが、ツメや脚に毛がはえているのが特徴。昔から馴染みのある食材で、ミソや内子が美味なカニとして知られていた。10月頃から卵を産むために一斉に海を目指して川を下り始める「ズガニ」は、秋の最高のご馳走として食卓に上っていたが、近年では食べる人の数が減少している。