瀬戸内海リベラル・アーツ・アカデミー
日時およびテーマ
2015年 | |
9月27日 | 宇宙のビッグバン、時間・空間・物質のはじまり |
10月18日 | 太陽系と地球の誕生 |
11月21日 | 地球上生物の誕生、大気中酸素の出現 |
12月23日 | 太陽風とオーロラ |
2016年 | |
1月24日 | 生物の進化 |
2月11日 | 人類の誕生と大陸間移動 |
3月19日 | 人類の遺伝子の多様性と病気 |
4月2日 | 癌の発生メカニズムと治療 |
5月7日 | グローバル時代における感染症の脅威 |
6月18日 | 個別化医療と疾患予防 |
7月18日 | 死:運命と神・・ |
8月 | 夏休み |
宇宙の謎 人類は何処からきて、何処に行くのだろうか?
カール・E・セーガンCarl Edward Sagan(1934年11月9日–1996年12月20日)
アメリカの天文学者、作家、SF作家。元コーネル大学教授、同大学惑星研究所所長。NASAにおける惑星探査の指導者。惑星協会の設立に尽力。
日本では1980年のテレビ番組『コスモス(COSMOS)』で有名になった。
宇宙のビッグバン:全てのはじまり
空想は知識より重要である。知識には限界がある。想像力は世界を包み込む。
宇宙のビッグバンから地球上生物進化・人類誕生へ
国際宇宙ステーションから見た現在の地球
原始地球に衝突する小惑星・隕石
原始地球(46億年前)は現在のサイズより小さかった。
直径400 kmくらいの小惑星が8回地球に衝突して、地球が大きくなった。岩石蒸気が地球全体を覆った。
原始地球に衝突する小惑星・隕石
小惑星の衝突で地球のサイズが大きくなったので・・・
- 地球の質量が増加して、重力が強くなった。
- 水と大気を地球の表面に保持できた。
- 大気という「保温層」が生まれた。
自転軸が23.4°傾き、月(衛星)ができたので・・・
- 四季が起き、海水温の差に基づいて海流が生まれた。
- 月の引力で海水面が変動(潮の満ち干)が起きた。⇒海水が撹拌されるようになった。
原始生命体の誕生とウイルス祖先の出現
RNAとDNAの違い
レトロウイルスの発癌メカニズム(1)
ウイルス発癌遺伝子がゲノムDNAの中に!
ゲノムDNA内にある癌遺伝子
ウイルス遺伝子 | 腫瘍型 | ゲノムDNA癌遺伝子 |
v-src | 肉腫 | c-src |
v-fps | 肉腫 | c-fps |
v-yes | 肉腫 | c-yes |
v-ros | 肉腫 | c-ros |
v-myc | 肉腫・白血病 | c-myc |
v-erb | 肉腫・白血病 | c-erb |
v-myb | 白血病 | c-myb |
v-rel | リンパ腫 | c-rel |
v-mos | 肉腫 | c-mos |
v-bas | 肉腫 | c-bas |
v-abl | 白血病 | c-abl |
v-ras | 肉腫・白血病 | c-ras |
v-fes | 肉腫 | c-fes |
v-fms | 肉腫 | c-fms |
v-sis | 肉腫 | c-sis |
癌抑制遺伝子vs. 癌遺伝子
40億年:地球上生物の進化
- 化学進化(生命体を構成する物質の創成)
- リボ核酸(RNA)と蛋白質の複合体
- 原始生命体の誕生&ウイルス祖先の出現
- 遺伝情報媒体の変化(RNA–>DNA)
- 単細胞生物の誕生(無性増殖)
- 嫌気性細胞への葉緑体およびミトコンドリアの共生
- 原核細胞–>真核細胞
- 単細胞–>多細胞
- 進化を加速させた放射線・紫外線・活性酸素
- 遺伝子変異による進化の多様化
- 遺伝子修復機構と子孫への遺伝情報伝達
- 雌雄交配(有性生殖)による増殖・遺伝子多様化
- 水中生物–>陸上生物へ
- 環境への適応(重力・紫外線・活性酸素に対する対応)
光合成によって大気中に酸素を放出
光合成によって大気中に酸素を放出
シアノバクテリア
シアノバクテリア(藍色細菌)は真正細菌の1群であり、光合成によって酸素を生み出すという特徴を持つ。単細胞で浮遊するもの、少数細胞の集団を作る糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがある。
写真はクリックで拡大します。
ストロマトライト
ストロマトライトはシアノバクテリアと堆積物が何層にも積み重なって形成れたもの。
写真はクリックで拡大します。
オーロラ
太陽からの荷電粒子(太陽風)、地球磁場、大気との作用による現象
地球の磁場に影響を受ける太陽風(プラズマの流れ)
先カンブリアにおける生物の進化
ミトコンドリアの出現
細胞へ寄生・共生酸素を利用
ミトコンドリア共存でエネルギー効率が19倍向上した!
嫌気的代謝
1個のブドウ糖から2個のATPを作り出す 2個の乳酸は副産物
好気的代謝
1個のブドウ糖から38個のATPを作り出す!!
乳酸、脂肪酸もエネルギーに変換
生物の進化
猿人から現生人類への進化&旧人との交配
現生人類の誕生と大陸間移動
ネアンデルタール人と現生人類
ネアンデルタール人と現生人類のミトコンドリアDNAは異なる。
しかし…
ヨーロッパ人、アジア人、パプア人のゲノムDNAの中にはネアンデルタール人の遺伝子が取り込まれていた!
アフリカ人には見られない。
交 配
ネアンデルタール人(男性)×現生人類(女性)出アフリカの後、現生人類はネアンデルタール人と中東圏で交配した。
日本人の起源は?
アジアには、原人(185万年前頃)、旧人(30万年前頃)がいた。
出アフリカの後、現生人類はヒマラヤの南側と北側の2つのルートで東アジアへ来た。
東北アジアの人類
凹凸の少ない平坦な顔面胴長・短足の体形極寒に適応する変化
蒙古斑 Mongolian Spot
モンゴル人の幼児95%、
他の東アジア人の幼児80%、
ヒスパニック系の幼児40-50%、
インド・ヨーロッパ語族の幼児1-10%
ヒマラヤ北ルート&南ルート
日本人の起源
弥生時代人男性の頭蓋と複顔図
ヒマラヤ北ルート経由で東アジアへ
長身で面長、彫が浅く一重瞼、鼻は小さく、唇も薄い、耳垢は乾燥型
縄文時代人男性の頭蓋と複顔図
ヒマラヤ南ルート経由で東アジアへ
背が低く、丸顔で彫が深く、二重瞼で鼻が大きく、唇が厚い、耳垢は湿潤型
http://www.kahaku.go.jp/special/past/kao-ten/kao/hensen/hensen-f.html
ヒトの耳垢(Human Earwax)
メンデルの遺伝法則に従う. 湿潤型(Wet)と乾燥型(Dry)に分類.
世界規模におけるヒトABCC11遺伝子のSNP頻度
酸化的ストレスは動脈硬化の原因
動脈硬化
心臓から全身に血液を送り込む役割を担う動脈の内壁が肥厚し硬化した状態
動脈の血流が遮断されて、酸素や栄養が重要組織に到達できなくなる結果、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす原因となる。
活性酸素は疾患原因、病態悪化に関係する
地球上生物の多くは、酸素を利用した好気的代謝の能力を獲得して、劇的な生命進化を遂げてきた。
しかし、活性酸素による細胞障害のリスクを併せ持つようになった。
活性酸素
過酸化水素(H2O2)、スパーオキシド・ラジカル(O2・-)、ハイドロキシ・ラジカル(OH・)、一重項酸素(1O2)
活性酸素が関与すると報告されている病気 癌、炎症、ウイルス感染、動脈硬化、糖尿病など |
天然の抗酸化物質を摂取することが大切!
植物は子孫を残すために、抗酸化成分を果皮に豊富に蓄積
現生人類による薬草の発見と医用
嘔吐と下痢は生体防御
個の医療の実現にむけて
提案!国民のためのファーマコゲノミクス
SNP診断による医薬品の安全性確保
健康カードと地域医療ネットワーク
ワルファリン(S-Warfarin)の副作用と遺伝子多型
ビタミンKエポキシドレダクターゼのC1サブユニット(VKORC1)に結合して、ビタミンKと競合阻害する。
血液凝固因子の生合成を抑制
第II因子(プロトロンビン)、第VII因子、第IX因子、第X因子
効き方には個人差があり、症状や体質によって飲む量が違う。
ワルファリンは治療効果をモニタリングしながら投与すれば大量出血を起こす可能性は低くなる。
ワルファリンの代謝酵素
CYP2C9, 2C19, 2C8, 2C18, 1A2,3A4
個の医療の対象とする患者は高齢者
参考サイト
平均所得 : https://goo.gl/SGEXV1 https://goo.gl/xrSo8S
個の医療の対象とする疾患の選択
データ : http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/m2007/03.html
第4表死亡数,性・年齢(5歳階級)・選択死因分類別参照
地域医療ICTネットワーク
地域医療ICTネットワークの重要性
NPO法人「地方再興・個別化医療支援」
19世紀 | 科学の種が蒔かれた。 |
20世紀 | 科学の芽が出て、急速に成長した。 |
21世紀 | 科学の果実を収穫して、次世代の種とする。(科学研究の成果を社会に還元する) |